ミッドシップのMR2にバックカメラを取り付けたい理由
みなさん。こんにちは。leon(@leon_sk4_22)です。前回、前々回とMR2へカーナビを取り付ける方法について書かせてもらっています。27年も経過してしたMR2に何故、今更カーナビを付けたのか?
その理由は全て『バックカメラを付けたい!!』という欲求から始まりました。
【参考記事】
[0236] MR2補完計画『その11』カーナビ設置後 アンテナが伸びたままに!? そんな時はアンテナ昇降スイッチ追加で解決!!
では、どうしてバックカメラを付けたかったかというとMR2はミッドシップで座席の後ろにエンジンが位置しており、小さなリアウインドウと大きなリアウイングもあいまって後方視界がとても悪いんです。
さらにMR2はスポーツカーで車高が低いのに、私はリアバンパーも付けているのでコンビニなどの駐車場に止める時に高めの輪止めにヒットしそうになることが何度かありました。そんな経験から安心して寸止め駐車ができるようにしたくてバックカメラを取り付けたいと考えました。
MR2へバックカメラを付ける際の3つ問題点
MR2にバックカメラを取り付ける際に3つの問題点がありました。一つ目がバックカメラを何処に設置するか?ということ。最近の車なら予めバックカメラを取り付けるスペースが用意されているのですが、昔の設計のMR2には、そんなスペースは用意されいません。
2つ目はバック信号をどこから取り出すのか?ということ。バックカメラはギヤをバックに入れた際にナビのモニターをバックカメラへ切り替える動作をします。ということは『ギヤがバックに入ったよ』ということをナビに知らせてあげる必要があるわけです。
そして最後の問題がカーナビのあるインパネからカメラを取り付ける車両後方まで、どうやって映像ケーブルを引くかということ。普通の車と違ってミッドシップのMR2には座席の後ろにエンジンがあり、エンジンルームを通れば熱の影響を避けられません。
問題点を整理してみると
① | バックカメラの設置場所 |
② | バック信号の取り出し方法 |
③ | バックカメラの映像ケーブルルート |
当時、この3つの問題に関してネットを調べてみても、はっきりとした回答を得ることはできませんでした。その為、なかなかバックカメラの導入に踏み切れなかったのですが、MR2の内装や外装を外してみて、ある程度の目処がついたので購入を決めました。
それでは次項からは、その問題点を踏まえながら順番に紹介させていただきます。
バックカメラ設置の為に用意するものを紹介
バックカメラ CarrozzeriaのND-BC8II
では部材と必要な道具の説明からいきましょう。まずはバックカメラ。私はカーナビに合わせてCarrozzeriaのND-BC8IIを購入しました。
パッケージ内容はカメラ本体。RCA映像出力・電源ケーブル(7m)・グロメット・ブラケット・固定ネジ・結束バンドと一通りのものは同梱されてきます。
エーモン 電源取り出しコネクター(赤) E418 (中線用 0.5〜0.85sq)
次にバックの信号線を短絡させる為に使用する電源取り出しコネクターE418。前々回に車速パルス線やアース線を短絡させる時は細線用(0.18〜0.36sq)の白いモノを使いましたが、今回は中線用(0.5〜0.85sq)の赤い製品を使用します。
エーモン配線コード(0.5sq)
電源取り出しコネクターを短絡して取り出したバック信号は0.5sqの配線ケーブルで室内まで引き込みます。写真は前回の写真を流用しているので赤と黒の2種が写っていますが、実際にはどちらか1つを用意すれば大丈夫です。ちなみに今回、私は赤色の方を使用しました。
ケーブル同士の接続はギボシ端子ではなく接続コネクタを使います。今回は電源取り出しコネクタと配線ケーブルは0.5sqのサイズを使っているので、接続コネクタも0.5sqに適合した緑のコネクタを使用します。配線ケーブルや接続コネクタはサイズに合ったモノを使用しないと接触不良を起こしやすいので、この辺は気を付けたいところ。
アストロプロダクツ 配線通し (1.5m)
最後にアストロプロダクツの配線通し(1.5m)。こちらは配線ケーブルをくくりつけて室内への引き込みや、曲がったパイプ内などへの通線に使用するものですが、今回の作業の為に購入しました。頻繁に使うようなものでもないですが、持っていると便利かも。
さて、これで必要な部材は全て揃いました。次はバックカメラ取り付け時に取り外す必要のある内装について説明ていきます。
Bピラー下 パネル(内張り)の取り外し方法
取り外す内装は、いろいろありますが実際、ほとんどの内装の外し方については以前までの記事で紹介してしまっています。なので今回は、まだ説明していなかった運転席側Bピラー下のパネルの取り外し方法について紹介させていただきます。
その他に外す必要のある内装はリンクを下記に貼っておきます。ただし、スカッフプレートの外し方については助手席側で説明していますが、今回は運転席側での作業となりますので読み替えでお願いします。
ちなみにBピラー下のパネルはスカッフプレートを外してからの方が外しやすいので順番としては⑤番目に行ったほうが良いでしょう。
① | シフトまわりのカバーの取り外し方法 |
② | ステアリング下側にあるカバーの取り外し方法 |
③ | インパネの取り外し方法 |
④ | スカッフプレートの外し方 |
MR2の運転席側のシート裏には小さいですが収納BOXが存在します。まずはBピラー下のパネルを外す前に、この収納BOXを取り外していきます。
収納BOXを扉を開くと緑のマーキングの位置にクリップが、赤のマーキングの位置にネジが、それぞれ3箇所あるので外しましょう。
収納BOX本体と扉の部分は2つに別れていて赤いマーキングのネジを3本取ることで分離できます。上の写真は扉の部分を取り外した状態です。扉を外したらBOXを持ち上げて取り外します。
次にBピラー下のパネルを止めているクリップが緑のマーキングの位置に2箇所あるので、こちらも外しておきます。
その次にエンジンフードを開けるラッチのカバーを固定しているネジを1本外します。
ラッチを手前に引いてカバーを左方向へスライドさせて外します。
ここまで外せば、あとはパネル(内張り)は裏側に付いているクリップだけで固定されている状態となります。
パネル本体をグリグリと手前に引きながらクリップを外していきます。
外せました。
こちらはパネルを外した状態です。ネタバレしちゃいますが、矢印の赤い配線ケーブルがバック信号を取り出して室内に引き込むルートとなります。このルートを確保する為に、Bピラー下のパネルを外す必要がありました。
ちなみにリアスピーカーも、このBピラー下のパネルを外せば簡単に交換できます。リアスピーカーの交換については、また別記事で紹介させてもらう予定なので、しばらくお待ち下さい。
バックカメラ取り付け 接続図
ケーブルルート確保の為の内装取り外しが済んだところで今回の作業におけるバックカメラ取り付け接続図を作成してみました。バックカメラ設置時に接続するケーブルは『バック信号ケーブル』『映像ケーブル』『電源ケーブル』『アースケーブル』の4本。
2本のうちバック信号と映像ケーブルは途中でジョイントする必要があります。
ちなみに電源ケーブル(アクセサリー電源)とアースケーブルは映像のケーブルから枝分かれして、それぞれに接続される形になります。この2つの接続に関しては以前の記事で紹介していますので、下記のリンクからご確認ください。
① | アクセサリー電源(ACC)の接続方法 |
② | ETC・バックカメラ等、電源を必要とする機器はアースケーブルの接続が必要 |
バック信号・映像ケーブルのジョイント位置
バック信号ケーブルはカーナビに付属される電源ケーブルに含まれます。ケーブルの先端はエレクトロタップが付いていてケーブル同士をジョイント出来るようになっていますが、私はカットして接続コネクタを取り付けて簡単に接続・切り離しができるようにしました。
もうひとつの接続ケーブルは楽ナビの背面にある黄色い端子へ接続。
ケーブル自体はテレビとかに接続するおなじみの黄色いケーブルです。この2本のケーブルをインパネからステアリング下を通しスカッフプレートの真ん中辺りまで伸ばします。
スカッフプレート付近まで伸ばした黄色いケーブルは元々ジョイントできるように白いコネクタが付いているので、ここで接続。
バック信号ケーブルは赤い矢印の位置で接続コネクタを使ってジョイントしました。アース線は、そのままキーシリンダー下のアースボディへ接続。アクセサリ電源はステアリング下を通り抜けインパネまで伸ばします。
バックカメラの設置場所
次にバックカメラの設置場所を説明していきます。MR2が設計された時代にはバックカメラを付ける想定などされていなかっので設置する場所は限られます。
私が一番目立たない場所として選んだのはナンバープレートを照らすライトの部分。
位置的には少し低過ぎますが、ご覧の通り他に選択肢は無いというくらい、この場所しか考えられません。
バックカメラ(映像)ケーブルを車内に引き込む方法
バックカメラの設置場所の次に困っていた映像ケーブルのルートですが、以前にオールペンをした時に、そのヒントを見つけることができました。上の画像はテールランプとリアバンパーが外れている時に撮った写真ですが、テールランプ用のケーブルを通す穴があるのが分かるでしょうか。
テールランプを固定する枠の内側には隙間があり、ケーブルを通すのに問題は無さそう。この穴をバックカメラの映像ケーブルを車内に引き込むルートとして使えないかと考えました。
イメージ的には、このようなルートを取ればケーブルを引き込めるはずです。ちなみに写真ではテールランプのケーブルを通す穴からナンバーの方に向かい矢印が向かっていますが、実際の設置ではカメラとケーブルは一体になっていて取り外す事は出来ませんので、カメラを取り付け後、トランクルームへ引き込む形になります。
テールランプの取り外し方法&映像ケーブルの引き込み
バックカメラの映像ケーブルを引き込むにはテールランプのケーブルルートを流用すれば良いことは判りました。その為にはテールランプを外す必要がありますので、ここで説明させてもらいますね。まずはサイドマーカーを矢印方向へ引っ張ります。
矢印方向へ引きながら手前に倒すとパカッとサイドマーカーが外れます。
サイドマーカーを外すとネジが2本ありますので、こちらも外します。
トランクを開きネジを1本外すとテールランプはフリーになるので手前に引き出せば外すことが出来ます。
テールランプのケーブルは防水用のゴムパッキンが貫通しているので映像ケーブルを一緒には通せそうに無いのでパッキンの外側からトランクルームへ引き込みます。
参考までに、こちらはトランクルーム側から見た写真。映像ケーブルが断線しないようにボディとケーブルの間にスポンジをかませておきました。
バック信号の取り出し方法
次はいよいよバック信号を取り出します。バック信号の取り出し位置に関してはネットで探し回りましたが、詳しい情報は殆ど出てきません。ある方の記事では助手席脇にあるケーブルコンセントの束の中にバック信号が潜んでいるようなことが書かれていましたが、私はそのケーブル群からはバック信号を見つけることが出来ませんでした。
そこで最終的に取った手段はバックランプを点灯させている配線ケーブルからバック信号をもらうというもの。テールランプにはギヤをバックに入れると点灯するバックランプが存在します。バックギヤに入れるとバックランプが点灯するということは、バック信号を検出して点灯しているということです。
テールランプやバックランプを点灯させている配線ケーブルは上の写真でいうと矢印の位置に存在しています。
取り出し方法はトランクを開けて内張りをペロッとめくります。
もう既に作業が終わってしまっていますが、トランクルームから外へ向かっているケーブルを数本見つけることができるはずです。
そのケーブルの中でギヤをバックに入れると12Vが流れることを確認することができたのが赤に青色のラインの入ったケーブルです。ちなみに私のMR2は2型のGT-Sですが型やグレードによってケーブルの色が異なる場合がありますので、テスターであたり確認してから短絡してくださいね。
テスターは簡易的なものでも持っておくと便利なので無い方は購入を考えても良いかも。
そのケーブルに電源取り出しコネクタをかませて短絡し、接続コネクタを使って配線ケーブルとジョイントしました。ちなみに黒いケーブルはバックカメラの信号ケーブルでナンバーからテールランプの裏側を通りトランクルームへ引き込んでいます。こちらは既にご説明済みですね(^^)
バックカメラのケーブルはオートアンテナのケーブルルートを流用
以前にオートアンテナの修理をした際に発見したのですが、アンテナケーブルは矢印方向へ引き込まれていていました。
アンテナケーブルはカーナビに接続されているので当然、このルートを追えば室内に続いているはずです。そこでアストロプロダクツの配線通しを矢印の方向へ送ってみて確認してみました。
するとBピラー下のパネルを外した辺りからニョキッと配線通しが顔を出しました。ルートの確認が出来たので配線通しにバック信号ケーブルとバックカメラ映像ケーブルをくくりつけ室内へ引き込みました。
イメージが掴みにくいかもしれないので、外側から説明すると矢印部分にトランクルームから室内へケーブルを通すルートが存在しています。アンテナケーブルは、このルートを通って室内に引き込まれているので、そのルートを流用させてもらった形になります。
バック信号ケーブルと映像ケーブルをここまで引き込めれば、後はスカッフプレート付近まで送りジョイントするだけ。作業時間は2時間弱といった所ですが、一度、やってしまえばもっと早く作業を終えることができそうです。
MR2にバックカメラを設置して安心してバックができるようになりました
MR2でのバックって、いつも不安がつきまとっていましたが、バックカメラを付けることで安心して出来るようになりました。一つだけ難があるとすればカメラの位置が低いので視野の範囲も大夫、下側になってしまうことくらいでしょうか。
と言っても基本的には輪止めにぶつからない寸止め駐車をしたいのが目的だったので当初の目的は達成できているので良しとしましょう。次回の記事ではカーナビと一緒に取り付けたスピーカーについて書く予定ですので、お楽しみに。
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