すべてのマスターシリーズの原点 『シーマスター300』
みなさん、こんにちは。leonです。前回は初代マスターシリーズ3部作の60周年を記念して発売されるスピードマスター57′についてご紹介させて頂きました。 今回は復刻版シリーズ第2弾!シーマスター300 クロノメーター60周年リミテッドエディションを紹介していきます。
シーマスター300やレイルマスターもスピードマスター同様に1957年に発売されたというのが定説になっていますが、実は初代シーマスターは1948年に発売されています。
初代シーマスターは視認性の高いダイヤルや6気圧防水などの機能を持っていましたが潜水に必須な回転ベゼルが付いていない等、本格的なダイバーズウォッチとはいえないものでした。
それらを改善したのが1957年に販売開始された『シーマスター300』です。
ちなみにシーマスター300とレイルマスターは1955年に発売されていたという説があります。※シーマスター300は1955年初頭に発売し、レイルマスターは同年の後期に販売されたらしい。
それが事実だったとすればシーマスター300はスピードマスターよりも2年も前に販売されていたことになります。まず防水機能や耐衝撃性を向上させたダイビングウォッチを制作し、さらに帯磁性やスポーツクロノグラフを付加した時計へ派生していったと考えると一つのピースとして繋がります。
上の画像は私の愛機レイルマスタークロノグラフの裏蓋ですが、メダリオンのデザインとしてシーホース(海神ポセイドンの乗る馬車をひく海馬)があしらわれています。
レイルマスタークロノグラフはシーマスター・アクアテラの派生モデルとして発表されたものだから理解できますが、それ以外のマスターシリーズ(スピードマスター・レイルマスター)の裏蓋にもシーホースがモチーフされていることが多いんです。
海とは全く関係の無いモデルまでシーホースが刻印がされている理由が『すべての源流はシーマスターにあるから』といえば、うなずけるのではないでしょうか。
スピードマスターファーストモデルが『スピードマスターシリーズの始祖』であるとするならシーマスター300はさらに源流であり『すべてのマスターシリーズの原点』と呼べるかもしれません。
事実、シーマスター300の堅牢なステンレスケースや高圧に耐えるリューズ・などの基本設計は、その後のマスターシリーズに多大な影響を与えているといわれています。
そんなマスターシリーズのルーツとなる『シーマスター300』は60年の時を超えてどう進化したのでしょうか。
オメガ初の本格ダイバーズウォッチ 『シーマスター300』回転ベゼルの重要性とは?
他のマスターシリーズには無い回転ベゼル。そして初代シーマスターにも付いていなかったベゼル機能とはダイバー達にとって必要不可欠なものですが、一体どのように使うのでしょうか?
このベゼルは潜水してから、どれだけ経過したかを計測する際に使う大切な機能です。
上の写真を例にご説明してみましょう。例えば60分間、潜水できるボンベがあったとします。分針が12時を指している時に潜水を始めたとすると、あと52分間、潜水することができます。
でも潜水する際に、いつも分針が12時を指しているとは限りません。そんな時は現在、分針が指している場所にベゼルを回転させて起点(白○)を合わせます。そこからカウントすれば60分間を正確に計測することができます。
単純明快な仕組みですが潜水時間を正確に知ることは無駄なく効率的に潜水できるだけではなく潜水士の命を守る為に必要不可欠な機能と言えるでしょう。
よってダイバーズウォッチとして大切なのは回転ベゼルと視認性の良い分針となります。
初代も含めて通常の回転ベゼルはカウントアップ表記(10→20→30→40→50)になっていますが、このモデルではカウントダウン表記(50→40→30→20→10)されています。
また分針の視認性を高める為にファーストモデルのシーマスター300は分針のみアロー針でしたが『Trilogy Limit Edition Seamaster 300』では時針がアロー形状になっています。ちなみに秒針の形状も復刻版はストレートですがオリジナルはドット秒針が使用されていました。
今回の復刻はアニバーサリーモデルとして意味合いが強い為、デザイン重視になってしまうのは仕方が無いのかもしれませんが記念的な復刻だからこそオリジナルと同じ仕様にして欲しかったと感じます。
シーマスター300 クロノメータ60 周年リミテッドエディション スペック製品仕様
【 シーマスター300 クロノメーター60周年リミテッドエディションの製品仕様】
【品名】Ω シーマスター300 クロノメーター60周年リミテッドエディション
【型番】Ref.234.10.39.20.01.001
【ムーヴメント】クロノメーター880635(35石 25,200振動/時)
【耐磁性能】超高耐磁性能ムーヴメント(1.5テスラまで)
【ベゼル】両方向回転ベゼル
【リューズ】ねじ込み式リュウズ
【パワーリザーブ】55時間
【文字盤】ブラックトロピカルダイヤル
【ケース】ステンレススチール(SS)
【ケースサイズ】約39mm(リューズ除く)
【ケース厚】14.1mm
【風防】強化サファイアガラス風防
【防水】30気圧(300メートル防水)
【発売年】2017年5月頃
【希望小売価格】810,000円(税込)
【販売本数】限定 3,557本
防水性能はオリジナルを上回る30気圧防水に
現代に蘇った復刻版シーマスター300は最新の技術が、これでもかと使われています。当時 20気圧(200m防水)だった防水機能は30気圧(300m防水)まで引き上げられました。
リューズにはナイアードのロゴがあしらわれていることから復刻版シーマスターにも「セラミック ナイアード ロック」の技術が使われていると思われます。
これは裏蓋に刻印された文字の向きを固定することができるネジ込み式ケースバックでオメガが新たに特許を取得した技術らしい。
シーマスターなのに帯磁性能は脅威の1.5テスラ(15,000ガウス)!?
このモデルには驚くことに同時に復刻される『Trilogy Limit Edition Railmaster』と同等の15,000ガウスの耐磁性能を持っています。
初代の外観を持ちながら防水・耐磁共にトップクラスの性能を誇る訳ですから復刻されたシーマスター300は羊の革を被った虎といったところでしょうか。
シリーズのマスターピースとなった復刻版 『シーマスター300』是非、実物を見てみたい!!
当時のファーストモデルは両方向全回転式ベゼルや視認性に優れたダイヤル(文字盤)を有していること。ダイバーズウォッチとして必要な耐衝撃性や当時では200m防水という非常に高い防水機能を持つ時計として人気があるモデルでした。
人気を博した、もう一つの理由は60年も経過しても古臭さを感じさせない秀逸なデザインにあると思います。leonはスピードマスターが大好きですが無骨で高機能なシーマスターは、また違った意味での男らしい雰囲気がありカッコイイと感じます。
後にオメガの主力戦力となる『マスターシリーズの原点 シーマスター300』。こちらも一生モノとして使うには申し分の無い一品だと思います。
既に2つの時計を所有しているので購入は難しいですが機会があれば実物をひと目でも良いので見てみたいところです。
次回はマスターシリーズの最後の三巨頭。『Trilogy Limit Edition Railmaster』について、ご紹介させて頂きます。乞うご期待!!
↓こちらは60周年モデルと比べ現実的な金額です。こだわりが無ければオススメです。
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