寒さの辛い時こそフライトジャケットB-3を着たい!!
みなさん。こんにちは。leon(@leon_sk4_22)です。先週末は友人と都内の映画館へ『ゼロ・グラビティ』を観に行ってきました。
今回の私の目的は映画を観ること。でも友人は、それよりも革靴とジャケットの物色をしたいらしい。駅近の映画館ならは外へ殆ど出ることは無いので寒さも気になりませんが、ファッション関係の物色に付き合うとなると屋外をいろいろ歩き回る事が予想されます。
寒空の中歩き回るのはツラいので防寒対策に最適なAVIREX BELTTED MOUTON ジャケット(B-3)を着ていくことにしました。
ちなみに以前にフライトジャケットB-3を購入した際に記事も書いていますので、良かったらどうぞ。
過去に書いたB3の記事はコチラから
映画を観て外へ出るとビル風の強い場所もあり予想以上に寒い!! 一緒にいた友人は首をすぼめて寒そうに歩いていましたが、私はユニクロで買った薄手のタートルネックの上にB-3を羽織るだけで、寒さをしのぐことができました。
何と言ってもB-3は-10〜-30℃のヘビーゾーンと呼ばれる極寒の寒さにも対応するように設計されたフライトジャケット。重みと動きやすさに多少の制限が出るものの着ていて安心感があります。
フライトジャケットなんて今どきダサい!?
暖かなアウターといえば最近ではダウンジャケットが一番に思い浮かびますが、こういった古き時代のジャケットもまた良いものです。『エ!? 革のジャケットなんて流行遅れでダサいですって?』
確かにそう思う人もいるかもしれません。でも世間の流行を追いかけるよりも、自分の心の中にある流行を追いかけるのも有りじゃないかと感じています。
私も昔は世間の流行に合わせて着る物を選んでいましたが、最近は『何処かの誰かが流行らせた服を着るよりも、自分が好きで納得できる物を着たい』と思うようになりました。
ファッションなんて『自分が着たい!!』と思うものを着た方が、きっと幸せだし何よりも楽しいはずです。
私の場合は寒いこの季節になるとフライトジャケットやトレンチコート・M65等の機能性と無骨さを兼ね合わせたミリタリー系の服を着ることが多くなります。
ちなみに以前にM65の記事も書いていますので、こちらもどうぞ。
バーバリーM65の記事はコチラから
ただしガチガチのミリタリー服は野暮ったく見えるので現代風にアレンジされたタイト感があるものを選び、あとは自分のセンスで好きなようにコーディネートするようにしています。
前置きが長くなりましたが、今回は私が大好きなフライトジャケットB-3が、どのような背景をもって設計・制作されたジャケットなのかご紹介したいと思います。
フライトジャケット B-3が生まれるまで
[画像出典]ウィキペディア ライト兄弟
空の扉を開いたのは誰もが知るライト兄弟。ノースカロライナ州キティホーク近郊にあるキルデビルヒルズにて12馬力のエンジンを搭載したライトフライヤー号によって有人動力飛行に成功したのが1903年12月17日こと。ちょうど110年前の今日、初めて人が空を飛ぶ事を実現した日になりますね。(書いていてさっき気づきました。ちょっと驚き(゚Д゚ノ)ノエ )
フライトジャケットは読んで字の如く空を飛ぶ人が着用する為に作られた衣類。でも当初は空といえば未知の分野で飛行服にどのような条件が必要か判らなかった為、モーターサイクリストや極地探検家が着用した衣類のデザインが流用されていました。
やがて1914年に第一次大戦が勃発し飛行機が兵器として大量に投入されるようになるとパイロットの着るフライトジャケットにもスポットがあてられます。そして2度の世界大戦を経て急激にそのスタイルを確立していくことになります。
初期のアメリカ陸軍航空隊では寒さから身を守る為、足まで覆える丈の長い革コートを着用していましたが、1923年になると足の動作を妨げない着丈の短いフライトジャケットの開発が始まりました。
4年の歳月をかけて研究開発された初めてのフライトジャケット タイプ A-1が正式採用されたのは1927年のこと。その後、実戦投入されたタイプA-1は試行錯誤が繰り返され1931年には名作といわれるタイプA-2が誕生します。タイプA-2は1932年より支給が始まり12年間も供給されました。
[画像出典]ウィキペディア B17(航空機)
航空技術が発達し戦闘機や爆撃機がより高高度を飛ぶようになると、さらに防寒に優れたフライトジャケットを必要とするようになります。当時の爆撃機には温度を調節する機構が機内に無く極寒にも耐えられるフライト ジャケットの開発が急務とされました。
様々な試行錯誤の中でB-3は1934年5月8日に冬季・寒冷地気候に耐えられるように開発されたジャケットとして米国陸軍航空隊に正式採用される。余談ですが、B-3の『B』は『Bomber(爆撃)』の頭文字でボマージャケットやボンバージャケットとも呼ばれています。
基本的にはB-3はA-3フライングスーツを併用することを前提として開発されており、後に電熱を使用して体を暖める飛行服エレクトリック・フライング・スーツを着用することで更なる使用範囲を広げていきます。
現在では温度による使用領域をゾーンで区分けしていますが、B-3はヘビーゾーンと呼ばれる-10℃~-30℃にまで対応。1939年に始まった第二次世界大戦では陸軍航空隊の爆撃機搭乗員達に愛用され、ボンバージャケットの代表的存在となりました。しかし1943年頃に入ると革製のB-3は姿を消すことになってしまいます。
理由としては爆撃機に与圧・温度調節機構が追加され機内環境が改善されたこと。また1941年にアメリカが世界大戦に参戦すると陸軍航空隊の規模が一気に増大したことによりフライトジャケットの需要・供給も比例して拡大。ですが、急激な需要の拡大に供給が追いつかず革不足・コスト増が深刻化したことがあげられます。
革不足解消の為に新たな素材としてコットンやギャバジンを使用したフライトジャケットの開発が進みNシリーズ(N-2・N-3)へと引き継がれることになりB-3はフライトジャケットとしての役目を終えることになります。
しかしNシリーズも爆撃機搭乗員用としてはあまり利用されず、地上作業員、艦上勤務員に用いられたようです。
フライトジャケット B-3の暖かさの理由は裏表が逆の縫製にあり
素材としては保温・耐寒性能を重要視して開発された為、羊革(シープスキン)が使用されています。シープスキンは羊の巻き毛を短く刈って加工した皮革の事で 断熱・保温効果を高くする空隙(くうげき)と呼ばれる空気を含む隙間が多くある為、 非常に暖かい。
B-3は、その羊の革をクルッと裏返し毛が生えている部分が内側にくるようにしてジャケットとして縫製されています。裏返すメリットとして外側部分と裏地を別に作って後から貼る作業とコストをカットすることができ何より保温性も抜群に向上させる事ができるから。
羊毛(ウール)は他の素材に比べても熱が逃げにくく保温力があります。更にコットンが300度の温度で発火するのに比べてウールは600度まで発火しないという優れた特徴を持っているので当時の飛行機乗りには打って付けの素材だったんでしょうね。
ジャケット表面の部分は革の裏側になる為、初期の頃のB-3は白いのですが濡れると変色してしまうので後にラッカーで塗装するなど改良も行われています。
養殖できる羊は調達コストも妥当だと当時は考えられてたようですが、実際には第二次大戦が激化するにつれ羊毛調達が間に合わなくなり布製へ変更。さらにナイロン生地でのフライトジャケット開発が急遽、進むことになります。
エクストラヘビーゾーンで寒さから飛行士の命を守るB-3のさらなるギミック
高高度飛行における飛行士の敵は何と言っても体温の低下です。マイナス10℃〜30℃のヘビーゾーンの更に上をいく低温度領域をエクストラヘビーゾーンと呼び、この低温域も活動できる防寒着の開発が必要不可欠でした。
B-3は素材選びやコストの削減を課題にしつつも低温度領域でも飛行士の体温の低下を防ぐ為のギミックがデザインとして組み込まれています。まずはB-3の特徴の一つである大きな襟元。
無駄に大きいように感じる襟のデザインにも、きちんとした理由があるんです。襟を立てると右側の襟裏には2本のベルトが取り付けられています。
そして反対側にはベルトを留めるバックルが装着。 上下に並ぶダブルバンドを留めると首を通り越し口元まで覆う大きなステンカラーとなります。この大きなカラーのおかげで首元から入る寒風を遮断し体温の低下を防ぐことができます。
AVIREX BELTTED MOUTON ジャケットは装飾として袖元にベルトが付いていますが、本来のB-3では袖口部分が少しだけすぼまった形状になっています。
この形状の理由も風が入り込むのを防ぐためですが、実際には内側のウールがモコモコしているので風の入り込む隙間はありません。
さらに手袋を着ければ腕周りの風は完全にシャットアウトされます。
ウエスト部分もモコモコのウールとベルトでバッチリ防風対策がほどこされています。ちなみにウエスト部をぐるりと一周するベルトはAVIREX BELTTED MOUTON ジャケット特有のデザインで本来のB-3は左右にアジャスタベルトが取り付けられています。
フライトジャケット B-3の使いどころとは?
ウール部分を内側にして首元・袖元・ウエスト周りの風を完全にシャットアウトしてくれる為、極寒の状況では心強い味方と言えますが、弱点もあります。
それはあまりにも防寒対策が完璧過ぎて少々、オーバスペックな所でしょうか。寒い外では大活躍するものの、空調の効いた部屋では完璧な防寒性能が逆に仇になってしまいます。
ジャケットを着ていると暑いからといって脱いで脇に抱えようとすると重くてかさ張ってしまうので、私の場合は前のジッパーを全開にして何とかやり過ごしています。 『B-3を着ていて良かったな』と私が思うのは寒い中じっとしていなければいけないシーンでしょうか。例えばスポーツ観戦でベンチでじっと座っていないければならない場合や、風景の写真を撮影をしに出掛けて狙った時間まで待っている時は、その真価をいかんなく発揮してくれます。
多少オーバスペック気味ではあるものの、シーンを選べば、これ程心強いジャケットもありません。大好きなフライトジャケットB-3。今年も機会を見つけてガンガン着たいと思います。
AVIREX BELTTED MOUTON JACKET格好いいです。自分探してましてなかなか見当たらず、良かったら譲って下さい。それなりに金額は出そうと考えてます!良かったらメール下さい。金額はメールでお願いします。
宜しくお願い致します。
海老原様
はじめまして、コメント読ませていただきました。
私もネットで販売しているお店を探してみましたが、どこも売り切れになっていますね。
私もB3を購入するまで10年近くかかって、やっと気に入った物に出会え購入した物なので申し訳ありませんが、お譲りするすることはできません。
もし、ネットで販売しているお店を発見しましたら、ご連絡させていただきます。
このB-3めちゃくちゃカッコいいですね。
コメントありがとうございます。買ってから7年経ちますが、着る時は今でも新品のようなワクワクした気持ちになります。これからも10年、20年と着ていけたら良いな〜なんて思っております(^^)